05633-190919 完全Scrapboxオンリーで授業を運営する手順(武蔵野市寄付講座「ITとルールの今・未来」で運用開始)
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本年度、成蹊大学法学部が提供する武蔵野市寄付講座「ITとルールの今・未来」。コーディネイタを仰せつかって準備を進めてきました。本日、開講式で北川学長、武蔵野市生涯学習スポーツ課のご担当者様からご挨拶をいただいた後、shio.iconが本講座の趣旨を説明し、第1回の授業スタート。
今回、完全ペーパーレスを実現したい、という密かな希望を当初から持っておりました。紙による資料配布はしない、毎回のリアクションペーパーやレポート類もすべて紙は使わない。せっかく「ITとルール」がテーマなので、授業運営においても紙を使わないことによるメリットを生かしたい、と考えておりました。 資料配布を紙でせずにScrapboxを使うのは、2017年4月から自分自身が実践しているので、容易い。一方、学生、受講者からの提出物を完全デジタル化するのは未経験。できるか。 https://flic.kr/p/2hhBGcG https://live.staticflickr.com/65535/48758428926_d4ee72451c_k.jpg
受講者は成蹊大学の4つの学部の学生たち、および武蔵野市民の方々67名。例年の武蔵野市寄付講座では、毎回のリアクションペーパーとレポートが紙媒体で提出されていたとのこと。今回はそれをすべてデジタル化したい。
Scrapboxを使えば実現できることは十分に理解しています。実際、Scrapboxを発明された増井俊之先生は、慶應義塾大学SFCでの授業において、100%、Scrapboxによって授業を運営しています。Scrapboxを使えば紙レス授業ができるのです。 しかしITを日常的に使っているSFCの学生と成蹊大学の学生とでは前提となるITスキルが異なる。それも、法学部で普段からshio.iconの授業に参加している学生だけではなく、法学部、経済学部、文学部、そして理工学部のすべての学部の学生が履修しますから、そのITリテラシはまちまち。
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はたして学生たちにできるか。また高齢の武蔵野市民の方々にそれを求めることは適切なのか。最後まで悩みました。
でもやろう。心を決めたのは当日の早朝。
それから受講者に説明するための画面キャプチャなどを作成し、Scrapboxに貼って説明を書き、出勤。初回なので、2限(10:45〜12:15)より前、10時には教室に行き、諸々の準備。
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第1回の授業中、なぜ資料の紙配布ではなくデジタルにするかを丁寧にご説明。デジタルなら、
動画、音声を視聴できる
参考となるwebサイトはタップ(クリック)して閲覧できる
資料の文字情報はすべて検索できる
記述内容をコピペして再利用できる
といったメリットがあります。
情報を紙にした途端、そのような利便性をすべて捨て去ることになります。なんともったいない。
なので、資料配布はScrapbox。そのページはそのままプロジェクタからスクリーンに映してプレゼンに使えるので、わざわざKeynoteやPowerPointといったプレゼンアプリでスライドを作成する必要もない。楽チン。さらに学生に招待リンクを送れば、授業中、スクリーンに映っているページに学生が書き込むこともできる。
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ここまでは普段の授業で行なっていること。shio.iconの授業に参加したことがある学生なら慣れっこ。
新たな挑戦はここから。
受講者が提出する毎回のリアクションペーパーやレポート類をすべてScrapboxにしたい。その方法を学生たちに説明し、感想等を提出したい武蔵野市民の方々にもご理解いただく。
手順は簡単。受講者が、自分の学籍番号(受講者番号)を使ったScrapboxの公開プロジェクトを作成するだけ。そこに毎回のリアクション、レポートを書いてもらえば、教員が読めます。
例えば2019年度寄付講座を履修する学籍番号「12340001」の学生は、kihukoza2019-12340001という名称のScrapbox公開プロジェクトを作成します(公開プロジェクトは完全無料です)。そのURLは「」となります。kihukoza2019-部分は全員共通、学籍番号部分だけが学生によって異なる履修者全員分の公開プロジェクトが作成されることになります。 https://flic.kr/p/2hhBKU6 https://live.staticflickr.com/65535/48758441361_933f8b0eef_k.jpg
教員が読むための手順。
1. 履修者名簿をダウンロード
2. Excelなどのスプレッドシートアプリ(shio.iconの場合はNumbers)で開く
3. 学籍番号の列をコピー
5. 改行コードを下記に置換
]改行コード[/kihukoza2019-
6. 第1行の冒頭と最終行の末尾にも上記を追記
7. 全体を元のスプレッドシートの学籍番号列にペイスト
8. スプレッドシートの全体をコピー
9. shio.iconの非公開Scrapboxプロジェクトにペイスト
作業は1〜2分で完了。武蔵野市民の方々も固有の番号をお持ちなので、履修者リストで同じ作業をすればOK。なんと楽チン。
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例えば学籍番号が「1234」で始まる8桁の場合、
といったリストができます。
そのリンクをクリックすると全履修者のプロジェクトに直接飛ぶことができるようになります。commandキーを押しながらリンクをクリックすれば、新たなタブに開いていくから、1枚読んではcommand+wでタブを閉じる繰り返しによって、サクサク次の人に進めます。
紙でリアクションペーパーやレポートを書いた場合、毎週、紙の配布、回収を要し、レポートを書く学生は印刷や提出が必要ですし、もしPDF等の提出なら「送信」や「アップロード」を要します。Scrapboxならそれらすべて不要。書いた瞬間、提出まで完了。「保存」すら不要。
教員も学生も、そして紙のレポート提出を受けたり整理する事務職員も、みんなの手間が削減されて、情報の利便性が高い。「IT=情報技術」をうまく使って「紙レス」にし、業務効率を上げることが大切。そのインフラとしてScrapboxが大変有用です。 追記 学生からの質問にはどのように対応するのかとのご質問をいただきましたので追記します。 紙で提出されたリアクションペーパーの場合、すべてScanSnapでスキャンし、質問部分をcommand+shift+control+4でコピーして、授業用Scrapboxページにcommand+vで貼り付け、次回の授業で全員に見せながら解説しております。提出がScrapboxになっても同じで、質問部分を次回授業のScrapboxページにペイストし、全員に見せながら解説します。一人の質問はみんなの疑問ですので、全員に対して解説することで復習も兼ねることができます。 https://flic.kr/p/2hhA6aX https://live.staticflickr.com/65535/48758115973_c02a28e327_k.jpg